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癌に対する機能性成分の効果について、マスコミや学会発表などの第三者からの情報で、検証することを目的としています。

<2019年10月1日更新>

霊芝

臨床研究・報道から考える霊芝の効果・副作用

 霊芝について、国際研究データベース(Pubmed※)に掲載された「がん」に関係する研究論文、一般報道から、「効果がある」報告、「効果がない」報告、「副作用」報告を調査しました。それらの報告について、データの信頼性(試験方法など)という観点を交えながら解説していきます。

霊芝に関するヒト臨床研究情報まとめ

■国際データベースのヒト論文掲載(PubMed)
掲載件数※ 癌への免疫力を高める作用 癌の免疫抑制を軽減する作用 癌闘病時の体力回復作用 抗がん剤に近い作用 効果がなかった 副作用があった
7件
×
★★★
×
あり あり

※2000年以降、ヒト臨床研究論文の件数
(効果がなかったという報告の論文は除く)

1.国際研究データベースの「ヒト臨床研究」の文献調査結果

「霊芝」に関して国際研究データベース(2000年以降)に掲載されている、がん患者の方を対象とした研究の特徴は以下の3点と思われます。

  1. ヒト臨床試験の研究成果が7件(表1参照)登録されており、これは今回調べた素材の中でも2番目に多いです。ただし、「霊芝」の7件の研究で扱われた素材は、「霊芝」、「霊芝の胞子」、「霊芝を含む混合物」、「鹿角霊芝」、「霊芝から分離した多糖成分」など多岐にわたる点も注意が必要です。
  2. 霊芝は無作為二重盲検臨床試験というエビデンス(科学的根拠)の高い研究論文が2件も登録されています。研究素材は「霊芝胞子」、「霊芝を含む混合物」(表1のNo3とNo5)になっています。
  3. 7件中3件で「副作用があった(1件)」「効果がなかった(2件)」という報告がされています。研究素材は、「霊芝の胞子」「鹿角霊芝」「霊芝から分離した多糖成分」(表1のNo2とNo4とNo7)になります。

霊芝は、「効果があった」という研究報告と「効果がなかった・副作用があった」という研究報告が同じくらい報告されています。 また、無作為二重盲検臨床試験という質の高い研究が2件も行われている非常に研究が進められている機能性成分です。同レベルの研究が行われているのは、アガリクスシイタケ菌糸体フコイダンなどです。(他の成分との比較は「コチラ」からできます。)

■霊芝関連のヒト臨床研究報告<要約>

表1:霊芝のがん患者対象のヒト臨床試験(2000年以降)2019年7月作成

No タイトル・文献・PubMed№ 解説 信頼度
01 救済治療として霊芝を用いた癌患者(5例)の症例報告
2014年 Asian Pac J Cancer Prev.l.誌
<PubMed No.24935369:英文はコチラ>
タイ
対象:婦人科癌(主に卵巣がん)患者
内容:救済療法で霊芝を12週間摂取したところ、摂取期間中は重大な副作用なく容態が安定していたという報告。
<日本語詳細はコチラ>
02 消化器癌患者の血清腫瘍マーカーの上昇
(副作用があったという報告)
2014年 Integr Cancer Ther.l誌
<PubMed No.24282100:英文はコチラ>
中国
対象:消化器癌の患者
内容:霊芝の胞子を摂取したところ、血清腫瘍マーカーCA72-4のレベルが上昇し、また摂取を中止するとCA72-4が急速に正常レベルに戻ったという報告
<日本語詳細はコチラ>
03 乳がん癌患者の摂取試験
2012年 Evid Based Complement Alternat Medl誌
<PubMed No.22203880:英文はコチラ>
中国
対象:乳がんホルモン療法実施中患者
内容:霊芝を摂取したところ、疲労やQOL(生活の質)が改善する作用が観察された報告
<日本語詳細はコチラ>
★★★
04 前立腺癌患者の摂取試験
(効果がなかったという報告)
2010年 Int J Urol誌
<PubMed No.20412340:英文はコチラ>
日本
対象:放射線治療後もPSA(腫瘍マーカー)の上昇が見られる前立腺癌患者
内容:鹿角霊芝を摂取させたところ、PSA値の改善(抗癌効果)は観察されなかったという報告
<日本語詳細はコチラ>
05 化学療法と放射線療法を行っている癌患者への中国生薬服用効果
2009年 Phytother Res
<PubMed No.19145638:英文はコチラ>
台湾
対象:化学療法/放射線療法を行っている癌患者
内容:霊芝を含む混合成分を服用させると、対照群に比べてリンパ球数の低下が抑えられたという報告
<日本語詳細はコチラ>
★★★
06 進行がん患者の生薬服用時の免疫機能推移
2006年 Int Immunopharmacol
<PubMed No.16428086:英文はコチラ>
中国
対象:進行大腸癌患者
内容:霊芝から分離した多糖成分を服用させると、NK細胞活性などが上昇したという報告
<日本語詳細はコチラ>
07 進行肺癌患者の霊芝水溶物投与時の免疫能変化
(効果がなかったという報告)
2005年 J Med Food
<PubMed No.16117607:英文はコチラ>
ニュージーランド
対象:進行肺癌患者
内容:霊芝から分離した多糖成分を服用させたところ、免疫指標には明確な差はなかったという報告
<日本語詳細はコチラ>

※Pubmedよりシーエムシー翻訳・作成

霊芝の研究内容について、特に注目される点は以下の2点です。

  1. 研究レベルの注目点は、2件の無作為二重盲検臨床試験の研究が報告されていることです。これは、★を3つつけている通り、医薬品の臨床試験でも行われる信頼性の高い試験方法になります。この研究レベルが2件もあったのは、今回調べた素材の中では霊芝だけです。

    ・二重盲検とは、患者さんを2つのグループに分けて、本物の霊芝と偽薬(プラセボ)を、それぞれ飲んでもらう試験方法です。命の危険があるがん患者さんに、「機能性成分」で「偽薬(プラセボ)」を飲む可能性もある無作為二重盲検臨床試験を実施できたのは、それだけ研究者や医師、患者さんの「霊芝」への期待が大きかったためと考えられます。
  2. 「霊芝」の研究では素材が多岐に渡る点も注目点です。「霊芝」「霊芝の胞子」「鹿角霊芝」「霊芝を含む混合成分」「霊芝から分離した多糖成分」の5種類になります。当然ですが、素材ごとに機能や働きは異なる可能性が高いです。それぞれの素材、成分ごとに研究結果をチェックすることが大切です。

    一方、研究結果としては、「副作用があった」「効果がなかった」という報告が7件中3件(表1の№2、№4、№7)あったことです。

    ・「効果がなかった」という研究結果を見る際の注意点は、霊芝は特に研究素材が複数にわたるため、どの素材の研究なのかをチェックする必要があります。
    ・また、例えば、表1の№4の「鹿角霊芝」の研究において、『「放射線治療後もPSA(腫瘍マーカー)の上昇がみられる前立腺癌患者」に対して、「鹿角霊芝」を摂取させたところ、「PSA値の改善」効果が得られなかった』と記載されています。これは「鹿角霊芝」の効果が全くないのではなく、「PSA値の改善」以外の効果については、該当の研究では検証されていない、とも読み取れます。
■霊芝の主要研究企業

国内では霊芝の研究発表をしている企業・団体は調査した限りでは見つかりませんでした。
※ 商品の販売を目的としているサイトは除外しています。

研究企業名 研究内容
癌の患者さんを対象にした霊芝の主要研究企業は、調査した範囲ではありませんでした。

2.新聞・専門誌の文献調査結果

 次に、霊芝に関する報道について調査しました。調査対象は、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、共同通信とがん専門誌「がんサポート」「がんの先進医療」、学会誌に絞っています。

霊芝についての注目される報道は以下の2点です。

  1. 国立大学が研究した記事が2つあります。「抗がん剤に似た効果」、「腫瘍の発生や成長を抑える効果」といった内容で、今後のさらなる研究が待たれます。
  2. 薬事法違反の記事があります。基本的に食品は、「がんに効果的」、「がん予防」として販売することは薬事法違反になります。この記事の解釈としては、「霊芝が悪い。」ではなく、「霊芝などを使って悪いことを考えた会社があった。」が正しいと思います。霊芝は研究論文を積み重ねている素材の一つだと思います。
■霊芝に関連した研究ニュース

表2:アガリクス関連の研究ニュース(2006年以降)2019年7月作成

No タイトル・内容(発行日、紙面名) 解説 種類
01 天然素材に新たな機能 九州大大学院清水助教キノコやタケノコ研究

(2013/1/15 福島民報新聞朝刊)
記事・関連情報のリンクはありません。
記事によると、九州大学大学院農学研究院の清水助教が霊芝に含まれる成分「ガノデリック酸DM」が、抗がん剤「タキソール」と似た効果があることを発見し、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されたとのこと。 その他研究
02 霊芝 大腸がん予防に期待
広島大大学院教授ら試験
腫瘍抑制の効果確認

(2010/3/18 中国新聞朝刊)
記事・関連情報のリンクはありません。
記事によると、広島大大学院医歯薬学総合研究科の田中信治教授(内視鏡医学)たちのグループが、キノコの一種、霊芝(れいし)の菌糸から抽出したエキスに大腸がんを予防する可能性があることを、患者を対象とした試験で確認した。
田中教授は「がんの前段階の腫瘍の発生や成長を抑える効果を確認できた。大腸がん予防に効果が期待できる。大規模な臨床試験でさらに検証したい」と話しているとのこと。
ヒト臨床研究
03 未承認医薬品販売 会社役員を逮捕

(2006/7/14 中日新聞夕刊)
記事・関連情報のリンクはありません。
記事によると、未承認の医薬品を店頭に並べたとして、薬事法違反(承認前医薬品の広告掲載禁止)の疑いで、中国籍の会社役員を逮捕した。「がんの予防と対処」などと医薬品の効能があるようにうたった広告を掲載し、霊芝(れいし)、高麗人参(にんじん)などの漢方生薬を輸入し、自宅兼店舗で鍋で煮詰めて製造した飲料を、販売目的で並べていた疑いとのこと。 その他研究

本サイトでは記事全文は著作権があり掲載できません。全文を見たい場合は、大きな図書館で過去の記事が見られることもあります。

3.国際研究データベースの「動物試験」の文献調査結果

 霊芝は「動物試験」の研究論文が比較的多くあります。疾病分野においては、ヒトで試験する前に動物試験や細胞試験などの基礎研究において、安全性や有用性が認められることが重要となります。ただし、動物試験で効果があるという結果でも、ヒトでも同様の効果や作用があるかはわかりません。同じ効果があるかはヒト臨床試験の結果が待たれます。そこは念頭においた上で読んでください。

霊芝の動物研究について、特に注目されるのは下記の3点です。

  1. 動物試験においても、研究素材が多岐にわたっている点は注目されます。「霊芝多糖類」「霊芝多糖類を含有する金ナノ複合材料」「霊芝胞子由来多糖類」「霊芝抽出物」など。
  2. 研究結果としては、「抗腫瘍活性の改善」「腫瘍抑制作用の向上」「腫瘍増殖抑制の向上」と、がんが大きくなるのを防ぐ働きが報告されています。
  3. 直近5件(2019年7月現在)は、2018年6月~2019年4月に全て中国で研究が行われ、霊芝の研究が中国で盛んに行われていることが伺えます。
    ・中国では漢方に使用される生薬の1つとして、2000年前から用いられています。
■霊芝関連の動物研究報告<要約>

表3:霊芝関係の動物試験(直近5件)2019年7月作成

No タイトル・文献・PubMed№ 解説
01 霊芝(Ganoderma lucidum)多糖類と併用したシスプラチンのU14子宮頚癌細胞移植マウスにおける抗腫瘍活性の改善
2019年 Kaohsiung J Med Sci. 誌
<PubMed №30958641:英文はコチラ>
中国
対象:U14子宮頚癌細胞移植マウス
内容:シスプラチンに霊芝多糖類を併用すると副作用の軽減、および抗腫瘍活性が改善したという報告
<日本語詳細はコチラ>
02 樹状細胞活性化およびメモリーT細胞応答を介した霊芝(Ganoderma lucidum)多糖類-金ナノ複合材料による効果的な癌免疫療法
2019年 Carbohydr Polym.誌
<PubMed №30446095:英文はコチラ>
中国
対象:マウス
内容:霊芝多糖類を含有する金ナノ複合材料を投与すると、樹状細胞の活性化およびメモリーT細胞の増加を示唆したという報告
<日本語詳細はコチラ>
03 パクリタキセルを併用した霊芝(Ganoderma lucidum)胞子由来多糖類の抗乳癌作用増強:腸内細菌叢の再形成による腫瘍代謝の抑制
2018年 Front Microbiol. 誌
<PubMed №30619178:英文はコチラ>
中国
対象:4T1-乳癌モデルマウス
内容:パクリタキセルと霊芝胞子由来多糖類を併用すると、腫瘍抑制作用が向上したという報告。
<日本語詳細はコチラ>
04 霊芝(Ganoderma lucidum)由来の多糖類は、ヨクイニン油ベースのマイクロエマルションの安定性および肺がん治療を増強する
2018年 Drug Deliv.誌
<PubMed №30343605:英文はコチラ>
中国
対象:肺胞基底上皮腺担癌マウス
内容:霊芝由来多糖類は、ヨクイニン油ベースのマイクロエマルションの安定性、および腫瘍増殖抑制を向上させたという報告
<日本語詳細はコチラ>
05 マウスを用いて検証した霊芝の抗癌効果の薬理学的機序の薬理学的ネットワーク解析
2018年 Biol Pharm Bull誌
<PubMed №28882624:英文はコチラ>
中国
対象:Hepa1-6保有C57BL/6マウス
内容:霊芝抽出物を投与すると、腫瘍増殖阻害効果を示した。霊芝抽出物による腫瘍治療の効果を評価するための潜在的マーカーとして、NR3C2、AR、ESR1、PGRの4つの中心標的遺伝子が機能する可能性があるという報告。
<日本語詳細はコチラ>

※Pubmedよりシーエムシー翻訳・作成

参考:がんに関するヒト臨床・動物研究情報<詳細>

 以下は、pubmedから検索した論文のまとめ部分の翻訳になります。なるべく原文と同じ意図で翻訳をしています。Pubmedの原文もリンクしたので合わせてご参照ください。

■霊芝関連のヒト臨床研究報告<詳細>

表4:霊芝関連のがん患者対象のヒト臨床試験(2000年以降)2019年7月作成

No タイトル・文献・PubMed№ 解説 信頼度
01 救済治療として霊芝を用いた癌患者(5例)の症例報告
2014年 Asian Pac J Cancer Prev.l.誌
<PubMed No.24935369:英文はコチラ>

執筆者:
Suprasert P
Division of Gynecologic Oncology, Department of Obstetrics and Gynecology, Faculty of Medicine, Chiang Mai University, Chiang Mai, Thailand

Apichartpiyakul C 
Sakonwasun C 
Nitisuwanraksa P 
Phuackchantuck R
霊芝(Ganoderma lucidum)は中国や他のアジア諸国で何千年にもわたって健康増進薬草として広く使用されてきた薬用キノコである。特に霊芝のin vitro抗癌効果については過去に多くの研究が報告されている。本研究では、霊芝子実体の水抽出物と霊芝胞子を摂取したサルベージ治療後に疾患の安定をみた婦人科癌患者5名の臨床データを報告する。 本報告は、癌患者における霊芝の効果データの充実を目的としている。
02 消化器癌患者の血清腫瘍マーカーの上昇
2014年 Integr Cancer Ther.l誌
<PubMed No.24282100:英文はコチラ>

執筆者:
Yan B
Second Military Medical University, Shanghai, China.

Meng X 
Shi J 
Qin Z 
Wei P 
Lao L
市販のハーブサプリメントである霊芝胞子(GLS)は、中国で癌患者に広く使用されている。 前臨床試験では安全と示されているが、GLSが完全に安全であるというデータはまだない。 ここでは、2010年から2011年の間にGLSに加えて複数の治療法を行った消化器癌5例を報告する。これらの患者は、GLSを1日2回、1ヶ月または2ヶ月経口摂取した後に、血清腫瘍マーカーCA72-4のレベルの上昇を示した。CA72-4は消化器癌治療中の患者での治療効果の観察に最も有用なマーカーの一つ1つである。興味深いことに、患者がサプリの服用を中止するとCA72-4は急速に正常レベルに戻り、CA72-4の急上昇に伴う臨床症状に変化はみられなかった。この反応の根底にあるメカニズムが不明であることを考慮して、早急にさらなる研究が必要であることと、癌患者へのGLSの使用には注意を払うことを提言する。
03 乳がん癌患者の摂取試験
2012年 Evid Based Complement Alternat Medl誌
<PubMed No.22203880:英文はコチラ>

執筆者:
Zhao H
Department of Internal Medicine, The Third Affiliated Hospital of Harbin Medical University, Harbin 150086, Heilongjiang Province, China.

Zhang Q 
hao L 
Huang X 
Wang J 
Kang X
生存乳癌患者において倦怠感は内分泌療法中に高頻度で発生する。しかし、この症状に対処するための科学的根拠に基づく治療介入はほとんどない。本試験は、内分泌療法を受けている乳癌患者におけるガン癌関連倦怠感に対する霊芝胞子粉の効果を調べることを目的とした。霊芝胞子粉は中国で広く使用されている伝統薬である担子菌の一種である。内分泌療法中でガン癌関連倦怠感のある乳癌患者48名を実験実薬群または対照プラセボ群に無作為に割り付けた。治療開始時および4週間後に、FACT-F、HADS、EORTC QLQ-C30のアンケートデータを収集した。介入前後にTNF-αとIL-6の濃度、肝臓・腎臓機能を測定した。実験実薬群において、介入後に身体的健康および倦怠感サブスケールに統計的に有意な改善がみられた。これらの患者からは、不安感や抑うつ気分の軽減および生活の質の改善も報告された。CRFの免疫マーカーであるCRFは有意に低下し、試験中に重篤な副作用は起こらなかった。本パイロット試験は、霊芝胞子粉が、重大な副作用を起こすことなく内分泌療法中の乳癌患者の癌関連倦怠感と生活の質に対して有用であり得ることを示唆する。
★★★
04 前立腺癌患者の摂取試験
(効果がなかったという報告)
2010年 Int J Urol誌
<PubMed No.20412340:英文はコチラ>

執筆者:
Yoshimura K
Department of Urology, Translational Research Center, Graduate School of Medicine Kyoto University, Sakyo-ku, Kyoto, Japan.

Kamoto T 
Ogawa O 
Matsui S 
Tsuchiya N 
Tada H 
Murata K 
Yoshimura K 
Habuchi T 
Fukushima M
<目的>
本研究は、日本での前立腺癌患者に対する2種類の薬用キノコの効果と安全性を評価することを目的とした。

<方法>
非転移性前立腺癌の根治的治療後に生化学的再発が認められた患者が本オープンラベル試験に参加した。これらの患者は、アガリクスキノコの抽出物を含有する「仙生露」とマンネンタケを含有する「鹿角霊芝」の2つのサプリメントのいずれかを6ヶ月間摂取した。血清中の前立腺特異抗原(PSA)レベルとPSA倍加時間を試験前と後に測定し、これらのサプリメントが疾患の進行に及ぼす影響を評価した。本試験の主要エンドポイントは、部分奏功率(血清PSAの50%以上の低下)であった。血清テストステロンレベルで表されるホルモン状態および毒性も評価した。

<結果>
根治的前立腺切除術後の患者51名が参加した。うち47名がプロトコールを完了し、評価が可能であった。32名の患者は仙生露を投与され、残りの15名には鹿角霊芝が投与された。PSAに関しては、部分奏功は認められなかった。 PSA倍加時間の変化は血清テストステロンレベルの変化と相関しなかった。重篤な副作用は観察されなかった。

<結論>
2つの薬用キノコの摂取による有意な抗腫瘍効果は認められなかった。
05 化学療法と放射線療法を行っている癌患者への中国生薬服用効果
2009年 Phytother Res
<PubMed No.19145638:英文はコチラ>

執筆者:
Zhuang SR
Graduate Institute of Nutritional Science, College of Health Care and Management, Chung Shan Medical University, Taichung, Taiwan.

Chen SL 
Tsai JH 
Huang CC 
Wu TC 
Liu WS 
Tseng HC 
Lee HS 
Huang MC 
Shane GT 
Yang CH 
Shen YC 
Yan YY 
Wang CK
白血球減少症および免疫障害は通常、癌治療中に生じる。ゼラニウム由来の油溶性化合物であるシトロネロールは創傷治癒促進だけでなく、抗癌および抗炎症作用も有する。霊芝、ヒカゲツルニンジン(Codonopsis pilosula)、カラトウキ(Angelicae sinensis)は伝統的な中国の薬草であり、これらすべてに免疫調節作用のあることはが実験室の研究によって立証されている。本プラセボ対照二重盲検無作為化試験では、中国薬草複合物(CCMH:シトロネロール、霊芝、ヒカゲツルニンジン、カラトウキの抽出物の混合物)が、化学療法または放射線療法を受けている癌患者の免疫細胞数を増加させるか否かを調べた。化学療法または放射線療法実施中の癌患者105名が本試験に参加した。CCMHまたはプラセボのいずれかを用いた6週間の癌治療の前と後に、被験者の血中免疫細胞数を測定した。CCMHは、白血球減少(28.2%対14.2%)および好中球減少(29.1%対11.0%)を有意に低下させた。リンパ球表現型の分析により、プラセボ投与患者はCCMH治療患者に比べて、CD4リンパ球およびナチュラルキラー(NK)細胞が減少したことが明らかになった。化学療法と放射線療法の両方またはいずれか一方を受けている患者に対するCCMH治療は、患者の免疫機能を改善し、癌だけでなく治療や健康を損なう二次感染を回避する能力を高めるかもしれない。
★★★
06 進行がん患者の生薬服用時の免疫機能推移
2006年 Int Immunopharmacol
<PubMed No.16428086:英文はコチラ>

執筆者:
Chen X
Department of Clinical Pharmacy, 1st Affiliated Hospital, Sun Yat-sen University, Guangzhou, China.

Hu ZP 
Yang XX 
Huang M 
Gao Y 
Tang W 
Chan SY 
Dai X 
Ye J 
Ho PC 
Duan W 
Yang HY 
Zhu YZ 
Zhou SF
アジア諸国では多くの植物薬が免疫調節剤として広く使用されている。霊芝はアジアで最もよく使用されている薬用植物の1つであり、霊芝の多糖画分は強力な免疫調節作用を有することが前臨床試験で立証されている。しかし、これに関する臨床的証拠は乏しい。本オープンラベル試験は、進行大腸癌患者の選択免疫機能に対する霊芝多糖類の効果の評価を目的とした。47名の患者が参加し、霊芝5.4g /日を12週間経口投与された。全試験期間にわたって、選択免疫パラメーターを免疫学的方法により観察した。評価可能な癌患者41名において、フィトヘマグルチニンに対する分裂促進反応、CD3、CD4、CD8、CD56リンパ球数、インターロイキン(IL)-2、IL-6、インターフェロン(IFN) -γ、NK活性が霊芝治療によって増加する傾向がみられたが、IL-1と腫瘍壊死因子(TNF)-αの血漿濃度は低下した。これらパラメーター全てについてベースライン値と霊芝治療12週間後の値とを比較したところ、統計学的有意性は観察されなかった。IL-1の変化はIL-6、IFN-γ、CD3、CD4、CD8、NK活性の変化と相関しており(p <0.05)、IL-2の変化はIL-6、CD8、NK活性の変化と相関していた。これらの結果は、進行大腸癌患者において霊芝が強力な免疫調節作用を有する可能性を示唆する。癌患者における霊芝の有益性と安全性の調査には、さらなる研究が必要である。
07 進行肺癌患者の霊芝水溶物投与時の免疫能変化
(効果がなかったという報告)
2005年 J Med Food
<PubMed No.16117607:英文はコチラ>

執筆者:
Gao Y
Institute of Food, Nutrition and Human Health, Massey University, New Zealand.

Tang W 
Dai X 
Gao H 
Chen G 
Ye J 
Chan E 
Koh HL 
Li X 
Zhou S
霊芝の多糖画分が抗腫瘍活性を有する可能性は前臨床試験によって立証されている。最近の臨床研究では、客観的な反応は観察されなかったが、進行固形腫瘍患者において霊芝多糖が宿主の免疫機能を増強する(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞活性の強化)ことが実証された。本オープンラベル試験は、水溶性の霊芝多糖類(Ganopoly, Encore International Corp., Auckland, New Zealand)の進行肺癌患者の免疫機能に対する作用を評価することを目的とした。36名の患者が参加し、5.4g /日のGanopolyによる治療を12週間受けた。試験を完了した30名の癌患者において、Ganopoly治療によってフィトヘマグルチニンに対する平均分裂促進反応性、CD3、CD4、CD8、CD56の平均数、インターロイキン(IL)-2、IL-6、インターフェロン(IFN)-γの平均血漿濃度、NK活性に有意な変化はなかったものの、これらの結果は著しいばらつきがあった。しかし、一部の癌患者では免疫機能の顕著な調節がみられた。IL-1の変化はIL-6、IFN-γ、CD3、CD8、NK活性の変化と相関しており(P <0.05)、IL-2の変化はIL-6、CD8、IL- NK活性の変化と相関していた。これらの結果から、化学療法/放射線療法と併用したGanopolyは癌患者のサブグループに対して有効である可能性が示唆される。肺癌患者における単独または化学療法/放射線療法との併用によるGanopolyの使用の有効性と安全性を調べるためにさらなる研究が必要である。

※Pubmedよりシーエムシー翻訳・作成

■霊芝関連の動物研究報告<詳細>

表5:霊芝関連の動物試験(直近5件)2019年7月作成

No タイトル・文献・PubMed№ 解説
01 霊芝(Ganoderma lucidum)多糖類と併用したシスプラチンのU14子宮頚癌細胞移植マウスにおける抗腫瘍活性の改善
2019年 Kaohsiung J Med Sci. 誌
<PubMed №30958641:英文はコチラ>

執筆者:
Zhu J
Department of Gynaecology and Obstetrics, First People's Hospital of Wenling, Wenling, China.

Xu J
Jiang LL
Huang JQ
Yan JY
Chen YW
Yang Q
子宮頸癌の研究は、臨床成績向上のため緊急に必要とされている。シスプラチン(CIS)は子宮頸癌の主要な抗癌剤として臨床治療に長年使用されてきた。しかし、腎毒性および神経毒性をはじめとする重篤な副作用の理由から、その長期投与は制限される。本研究の主な目的は、U14子宮頸癌細胞を移植したマウスにおける霊芝多糖類(GPS)によるCIS誘発抗腫瘍効果の改善を調べることである。GPS+CISは腫瘍の増殖を抑制するだけでなく、スプリーンインデックスおよび胸腺インデックスも改善するという結果が得られた。さらに、U14腫瘍細胞を有するGPS+CIS処置マウスにおいて、肝機能および腎機能への毒物学的作用はほとんどみとめられなかった。腫瘍抑制メカニズムのさらなる分析は、14日間のGPS+CIS経口投与後、アポトーシス腫瘍細胞数の有意な増加、Bax発現の増加、子宮頸癌切片中のBcl-2の発現の激減を示した。GPS/CIS併用治療は効果的なだけでなく、より高い安全性を提供する興味深いU14子宮頸癌治療の戦略である。
02 樹状細胞活性化およびメモリーT細胞応答を介した霊芝(Ganoderma lucidum)多糖類-金ナノ複合材料による効果的な癌免疫療法
2019年 Carbohydr Polym.誌
<PubMed №30446095:英文はコチラ>

執筆者:
Zhang S
Institute of Chinese Materia Medica, Shanghai University of Traditional Chinese Medicine, Shanghai, 201203, China; Shanghai R&D Centre for Standardization of Chinese Medicines, Shanghai, 201210, China.

Pang G
Chen C
Qin J
Yu H
Liu Y
Zhang X
Song Z
Zhao J
Wang F
Wang Y
Zhang LW
天然の薬草から精製された多糖類は免疫調節機能を有するが、癌治療における天然多糖類の効果は依然として不安定であり、これはおそらく、処方用量が低いことと消失速度が速いためであろう。本研究において、霊芝多糖類を含有する金ナノ複合材料(GLP-Au)は樹状細胞(DC)の活性化を効果的に誘導した。これはCD80 / CD86 / CD40 / MHCIIの増加、貪食能および酸性ホスファターゼ活性の低下、サイトカイン転写の増加から明らかである。GLP-Auは、脾細胞においてCD4+およびCD8+ T細胞の増殖を有意に促進した。DC/T細胞共培養試験は、DC上のGLP-Au活性化がT細胞増殖に直結することを証明した。GLP-Auは、ドキソルビシンと併用した場合に4T1腫瘍増殖および肺転移に対して強力な阻害作用を示した。GLP-Auはドキソルビシンによる体重減少を回復させるとともに、CD4+/CD44+メモリーT細胞の割合を増加させた。本研究は、腫瘍治療効果の向上目的で、免疫調節特性を有するナノ複合材料に天然薬草由来の多糖類を取り入れうる可能性を示唆する。
03 パクリタキセルを併用した霊芝(Ganoderma lucidum)胞子由来多糖類の抗乳癌作用増強:腸内細菌叢の再形成による腫瘍代謝の抑制
2018年 Front Microbiol. 誌
<PubMed №30619178:英文はコチラ>

執筆者:
Su J
State Key Laboratory of Applied Microbiology Southern China, Guangdong Provincial Key Laboratory of Microbial Culture Collection and Application, Guangdong Institute of Microbiology, Guangzhou, China.

Li D
Chen Q
Li M
Su L
Luo T
Liang D
Lai G
Shuai O
Jiao C
Wu Q
Xie Y
Zhou X
腫瘍発生と化学療法の成果において腸内微生物叢がきわめて重要な役割を果たしていることを明らかにする証拠が増加している。パクリタキセル(PTX)は、乳がんの第一選択化学療法剤であるが、薬剤耐性および副作用の理由から、依然として有効性と安全性の改善を必要とする。本研究は、4T1-乳癌モデルマウスにおいてPTXと霊芝胞子(SGP)由来多糖類の併用の増強効果を調べた。PTXとSGPの併用により、グルコース輸送体3(Glut3)、乳酸デヒドロゲナーゼA(Ldha)、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ(Pdk)などのいくつかのワールブルグ効果関連蛋白質のmRNA発現および腫瘍の代謝プロフィールが明白に変化し、腫瘍制御作用が向上した。フローサイトメトリー分析では、併用治療は使い果たされた腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を免疫チェックポイント(PD-1およびTim-3)の発現阻害を介して回復させたのに対し、PTX単独使用はCTLA-4の発現を明らかに増加させた。16S rRNAシーケンス解析では、併用治療によってPTX誘発の腸内細菌叢構成異常が正常化し、特に発がんリスクのあるデスルフォビブリア属およびオドリバクター属が減少した一方で、バクテロイデス属、ルミノコッカス属、その他5属が有意に増加したことが明らかになった。さらに、スピアマン相関分析は、ルミノコッカス属の豊富さと腫瘍内のフルクトース-6-リン酸の量とは有意な負の相関にあることを示した。総合すると、本研究は、腫瘍代謝および腸内細菌叢の調節に依存と思われる乳癌のPTX治療において、補助治療剤候補としてのSGPの臨床的意義を示唆する。
04 霊芝(Ganoderma lucidum)由来の多糖類は、ヨクイニン油ベースのマイクロエマルションの安定性および肺がん治療を増強する
2018年 Drug Deliv.誌
<PubMed №30343605:英文はコチラ>

執筆者:
Guo J
a Affiliated Hospital of Integrated Traditional Chinese and Western Medicine, Nanjing University of Chinese Medicine , Nanjing , China. b Jiangsu Province Academy of Traditional Chinese Medicine , Nanjing , China.

Yuan C
Huang M
Liu Y
Chen Y
Liu C
Chen Y
本研究の目的は、ヨクイニン油ベースのマイクロエマルションの薬学的効果および肺癌治療における霊芝(Ganoderma lucidum)由来多糖類(GLP)の影響を調べることであった。 GLPを組み入れたヨクイニン油ベースのマイクロエマルション(MEs(PS-GLP))は、ヨクイニン油ベースのマイクロエマルションと同じく、明確な球形、小さな粒子径、すぐれた流体力学を示したが、ゼータ電位はより低く、安定性はより良好であった。蛍光共鳴エネルギー移動分析は、GLPが単一システムとしてマイクロエマルションと一体化していることを示した。特に、多糖類とマイクロエマルションとの平均分子間距離は約1.7 nmであった。A549細胞に対するMEs(PS-GLP)の50%阻害濃度は約119 μg/mLであった。生体イメージング研究は、GLPを組み込むことでマイクロエマルションの腫瘍特異的蓄積が対照群と比較して促進されることを示した。in vivoでは、抗腫瘍の結果は、MEs(PS-GLP)がA549保有異種移植ヌードマウスの腫瘍増殖を著しく阻害し、明らかに血清免疫指数を改善することを示した。まとめると、本研究は、多糖類とマイクロエマルションとの空間的関係の潜在メカニズムを実証するとともに、腫瘍内蓄積および抗腫瘍効果に対するGLPの重要性を立証する。
05 マウスを用いて検証した霊芝の抗癌効果の薬理学的機序の薬理学的ネットワーク解析
2018年 Biol Pharm Bull誌
<PubMed №28882624:英文はコチラ>

執筆者:
Zhao RL
School of Basic Medicine College, Shanghai University of Traditional Chinese Medicine, Shanghai 201203, China.

He YM
School of Basic Medicine College, Shanghai University of Traditional Chinese Medicine, Shanghai 201203, China.
民族薬理学的関連性:霊芝(GL)は、多くの病気の予防や治療に使用されてきた東洋薬用キノコである。すでに、2種類のGL(Ganoderma lucidum(Leyss. Ex Fr.)Karst.およびGanoderma sinense Zhao、Xu et Zhang)から霊芝抽出物(GLE)の有効化合物が抽出され、それらは20年以上にわたって抗癌アジュバント臨床治療に使用されている。しかし、具体的な活性化合物および腫瘍に対する調節機序は不明である。

研究目的:本研究の目的は、GLEの主な活性化合物を同定し、薬剤標的生体ネットワークの構築と予測によってその抗癌作用機序を調べることであった。

方法:GLEの主な活性化合物をHPLC、EI-MS、NMRによって同定し、ドッキングプログラムを用いて関連標的を予測した。GLの機能を包括的に調べるため、4つの公共データベースに基づいて、GLの有効活性化合物および関連標的を予測した。続いて、同定化合物標的ネットワークと予測化合物標的ネットワークをそれぞれ構築し、それらを重ね合わせて両方のネットワークの中心潜在標的を検出した。さらに、GLE処置したHepa1-6保有のC57BL / 6マウスにおける標的遺伝子の発現レベルをqRT-PCRとウエスタンブロット解析を用いて確認した。

結果:本研究で、ガノデリン酸A、Ganoderenic acid A、ガノデリン酸B、ガノデリン酸 H、ガノデリン酸 C2、Ganoderenic acid D、ガノデリン酸 D、Ganoderenic acid G、ガノデリン酸Y、ケンフェロール、ゲニステイン、エルゴステロールの12種のGLE活性化合物を同定した。ドッキングプログラムを用いて、20の標的をGLEの12種の化合物にマッピングした。さらに、公共データベースを用いて、122のGL 有効化合物および116の標的を包括的に予測した。潜在的なマーカーと考えられ、GLE治療プロセスにおいて重要な役割を果たしている可能性がある6つの中心標的(AR、CHRM2、ESR1、NR3C1、NR3C2、PGR)を同定成分標的ネットワークと予測成分標的ネットワークとの比較により、スクリーニングした。GLEは、Hepa1-6保有C57BL / 6マウスにおいて腫瘍増殖阻害効果を示した。最後に、ウエスタンブロット解析では、PGRおよびESR1の発現レベルが上方制御されるとともにNR3C2およびARの発現レベルが下方制御されたが、NR3C1とCHRM2に統計学的に有意な変化は認められなかった。これらの結果はqRT-PCRデータの結果と一致する。

結論: NR3C2、AR、ESR1、PGRの4つの中心標的遺伝子はGLEによる腫瘍治療の効果を評価するための潜在的マーカーとして機能する可能性があることが本研究で示された。 また、データを総合すれば、癌に対する治療剤および化学予防剤の有望な候補になる可能性を持つGLEの薬理学的機序に関する予備的研究になる。

※Pubmedよりシーエムシー翻訳・作成

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